- メタボリックシンドロームとは
- メタボリックシンドロームの診断基準
- なぜ腹囲がメタボリックシンドロームの診断基準?
- メタボリックシンドロームの合併症
- メタボリックシンドロームの治療
- まずは生活習慣の改善が大切!
- 痩せすぎなくていい!「女性の低体重」
- ご相談・お問い合わせ
- 路線図マップ
メタボリックシンドロームとは
「メタボリックシンドローム」とは、内臓脂肪の蓄積によって、脂質異常症、高血糖、高血圧を引き起こした状態です。運動不足や過食などの要因が複合的に作用して発症することが多く、生活習慣の改善が最も重要になります。
生活習慣病とは
メタボリックシンドロームが原因となって引き起こされる生活習慣病は、主に不規則な生活や運動不足、偏食など、日々の生活習慣の積み重ねによって、徐々に進行していく病気の総称です。
代表的なものには、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満症(特に内臓脂肪型肥満)などがあり、これらは動脈硬化(アテローム性動脈硬化症)を進行させ、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる重大な病気のリスクを高めます。
生活習慣病の発症には、食生活の乱れや運動不足、過度なストレス、不規則な睡眠時間、喫煙や飲酒の習慣など、様々な生活習慣が関わっています。
特に、エネルギーの過剰摂取や偏った栄養バランスは、動脈硬化のリスクとなる糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満へと繋がるため、日常の食生活の見直しはとても重要です。
メタボリックシンドロームの診断基準
メタボリックシンドロームの診断基準には、腹囲の脂肪型肥満が必須条件であり、さらに脂質異常症、高血糖、高血圧のうち2つ以上が認められる場合に該当します。
| 診断項目 | 基準値 | |
|---|---|---|
| 必須項目 | 腹囲 (内臓脂肪面積 男女とも≥100cm2に相当) |
男性≥85cm 女性≥90cm |
| 選択項目 3項目のうち2項目以上該当する場合 |
中性脂肪 かつ/または HDLコレステロール |
中性脂肪 ≥150mg/dlHDLコレステロール < 40mg /dl |
| 収縮期血圧 かつ/または 拡張期血圧 |
収縮期血圧≥130mmHG 拡張期血圧≥85mmHG |
|
| 空腹時血糖値 かつ/または HbA1c |
空腹時血糖値≥110mg/dl HbA1c ≥6.0% |
なぜ腹囲がメタボリックシンドロームの診断基準?
メタボリックシンドロームは、内臓の周囲や腹部に「内臓脂肪」が蓄積することで起こります。内臓脂肪が蓄積すると、生活習慣病の原因となる生理活性物質の分泌が増加します。一方で、生活習慣病を予防する生理活性物質の分泌は減少します。
つまり、内臓脂肪が蓄積すると、血糖値や血圧が上昇し、トリグリセライド値も増加します。
これにより、血管の損傷が加速し、糖尿病、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症などの生活習慣病のリスクが高まります。
同じ脂肪でも、皮下脂肪は内臓脂肪に比べて、生理活性物質の分泌が著しく少ないことが知られています。そのため、内臓脂肪の面積と関係のあるウエスト周囲長が、メタボリックシンドロームの診断基準として用いられています。
メタボリックシンドロームの合併症
糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度が高まって血糖値が上昇し、慢性的な高血糖状態が続く病気です。食物から摂取した糖分は、体内でインスリンというホルモンの働きによってエネルギーに変換されます。しかし、糖尿病ではインスリンの働きが不十分または障害されているため、血糖値が上昇します。血糖値が高い状態が長期にわたると、全身の血管に過度の負担がかかり、動脈硬化に繋がる恐れがあります。また、糖尿病は、失明に繋がる網膜症、透析が必要な腎症、神経が壊死して足の切断に至る神経障害など、深刻な合併症のリスクを高めます。血糖値は、適切な生活習慣の改善や薬によってコントロールできますので、お気軽に当院へご相談ください。
高血圧
血圧は、運動、気温の変化、ストレスなどの要因によって変動するものですが、血圧が常に高い状態を「高血圧」と言います。血圧が非常に高くても、目立った症状がない場合が多いため、気づかぬうちに進行することのないよう注意が必要です。
血圧が高いと頭痛、めまい、息切れなどの症状が引き起こされる場合がありますが、症状がない場合でも、早めに高血圧の診察を受け、治療を開始することが重要です。
また、高血圧が進行すると、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが上がります。高血圧が判明した場合は、早めに適切な治療を受け、血圧をコントロールすることが重要になります。
高尿酸血症
高尿酸血症は、血液中の尿酸の濃度が高い状態が続く病気です。尿酸は身体の中で自然に作られる物質ですが、水に溶けにくいため、血液中では結晶化しやすく、尿酸塩という形で針状に尖った結晶を作ることがあります。これが関節内に溜まると、激しい痛みや腫れを伴う「痛風発作」を引き起こす原因となります。
また、尿酸値の高値が長期間にわたると、腎機能に負担がかかり、腎臓病や尿路結石などのリスクも高まります。なお、尿酸値が高くても、必ずしも痛風発作が起きるとは限りません。痛風発作がない場合でも、尿酸値の異常を指摘された際は、お早めに当院へご相談ください。
脂質異常症
血液には、コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド:TG)といった脂質が含まれており、これらは身体にとって欠かせない成分です。しかし、これらの脂質が過剰になったり、バランスが崩れたりすると、血管の壁に負担がかかり、動脈硬化の発症や進行を助長することがあります。
この病気は、かつては「高脂血症」と呼ばれ、脂質の多さだけが問題とされていました。ところが近年では、体内の余分な脂質を取り除く機能の低下が動脈硬化と深く関係していることが分かり、単に脂質が多いというだけでなく、その代謝やバランスの異常も含めて「脂質異常症」と総称されるようになりました。
メタボリックシンドロームの治療
メタボリックシンドロームは、糖尿病や高血圧、脂質異常症など複数の生活習慣病を表す総称であるため、生活習慣の見直しが治療の鍵となります。当院では、こうした生活習慣病の治療に力を入れており、患者様それぞれに合わせたサポートをしています。
健康診断などで血糖値や尿酸値、悪玉コレステロール(LDL)値の上昇、あるいは内臓脂肪の蓄積を指摘された方も、将来的な生活習慣病のリスクを予防するために、早めの受診をお勧めします。気になる症状や数値がある方は、お気軽に当院へご相談ください。
まずは生活習慣の改善が大切!
塩分制限
過剰な塩分摂取は、血液量を増やし、血圧を上昇させます。塩分を控えることで血液量が減り、血圧を低く保つことができます。日本高血圧学会では、1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることを推奨しています。一般的な1日の食事には約3gの塩分が含まれているため、調味料からの塩分摂取量は、1日3g未満に抑える必要があります。ハム、ソーセージ、干物、漬物、スナック菓子、インスタントラーメンなど、塩分が多い食品は適量に制限しましょう。減塩に慣れるまでは難しいかもしれませんが、調味料として、出汁や香辛料を使用し、酸味、うま味、甘みなど味のバランスを工夫して、食生活を楽しむことが効果的です。
体重制限
病気にかかりにくいとされる標準体重を目指し、その体重を維持するよう心がけましょう。標準体重を維持することで、生活習慣病の発症や進行を予防できます。標準体重は、次の式で計算できます。
標準体重(kg)= 体重kg ÷ (身長m)2
BMI(体格指数)が22で「標準体重」、25以上で「肥満」、18.5以下で「低体重」とされています。肥満だけでなく低体重もまた、様々な病気のリスクを高める要因となります。肥満であるかどうかに関わらず、明らかな理由なく体重が急激に変化した場合は、甲状腺の問題や糖尿病などが疑われます。体重の変化が気になる方は、お早めに当院へご相談ください。
適度な運動
生活習慣病の改善には、軽く汗ばむ程度の運動を日常に取り入れることが効果的です。
定期的な運動は、体重管理はもちろん、血行促進、筋力や骨の強化、呼吸機能の向上、ストレスの軽減など、様々な健康効果があります。
ただし、腰や膝に不安がある方、心臓に持病をお持ちの方、血圧が高めの方などは、運動の種類や強度、時間、頻度に配慮が必要です。
医師と相談しながら、安全で続けやすい運動習慣を見つけていきましょう。
飲酒制限
1日の適正アルコール摂取量の目安は20g(ビール:アルコール度数5%500ml、日本酒:1合180ml)です。
前日に飲酒がなかった場合でも、1日の適正アルコール摂取量は増えません。過度な飲酒は、生活習慣病のリスクを高めるため、適正量を守るようにしましょう。
禁煙
喫煙は血管を収縮させ、血圧の上昇や動脈硬化の進行を引き起こすことが知られています。とくに高血圧のある方にとっては、禁煙が不可欠な対策の1つです。
たとえ、食事や運動などの生活習慣を見直していても、喫煙を続けていると、その改善効果が十分に現れにくくなります。その結果、努力の成果を感じにくくなり、生活習慣の見直し自体を続ける意欲が低下してしまうこともあります。
さらに、喫煙は慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の発症や進行、歯周病の悪化とも深く関わっています。将来の健康を守るためにも、禁煙に取り組むことをお勧めします。
痩せすぎなくていい!「女性の低体重」
2025年4月、日本肥満学会は新たな疾患概念として「女性の低体重/低栄養症候群(FUS:Female Underweight/Undernutrition
Syndrome)」を提唱しました。これは、18歳以上で閉経前までの女性を対象に、低体重や栄養不足が引き起こす健康障害を体系的に捉え、対策を講じることを目的としています。
FUSの主な症状には、骨密度の低下や月経周期の異常、貧血、低筋肉量、栄養素不足(ビタミンD、葉酸、鉄など)、精神的な不調(抑うつ、認知機能低下)などが含まれます。
この背景には、SNSやファッション誌による「痩せ=美」という価値観の浸透や、過度なダイエット志向が影響しているとされています。
近年では、糖尿病や肥満症の治療薬を使用したダイエットも社会問題になっていることもあり、今後肥満だけでなく、痩せ過ぎ、瘦身願望に対する骨量低下や月経周期異常、栄養素不足などの課題も考える必要があります。
ご相談・お問い合わせ
監修・執筆:福田浩之
| 役職 | 横浜橋クリニック院長 |
|---|---|
| 所有資格 | 日本内科学会認定医/日本消化器病学会専門医/日本超音波医学会専門医/難病指定医/身体障害者福祉法第15条に基づく指定医師 |
| 所属学会 | 日本内科学会/日本消化器病学会/日本肝臓学会/日本超音波医学会/日本画像医学会 |
メタボリックシンドロームの診断・治療なら 横浜市南区阪東橋駅近くの横浜橋クリニックへご相談ください。
土日も診療
阪東橋駅(横浜市営地下鉄)から徒歩5分
路線図マップ
当院は横浜市営地下鉄ブルーライン「阪東橋駅」が最寄り駅で、横浜市南区にある横浜橋商店街の中にある内科クリニックです。
当院は阪東橋駅から徒歩5分の場所に位置しているため、同じブルーラインの沿線上にある高島町や桜木町、関内、伊勢佐木長者町、吉野町、蒔田、弘明寺などからも患者様にご来院いただいております。
また、京浜急行線の黄金町や南太田、日ノ出町、井土ヶ谷などからもご来院をいただいている他、バスで磯子や丸山町などからもアクセスがしやすい立地にあります。
当院では高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病をはじめとして、肝臓専門医による脂肪肝、肝機能障害などの診断・治療、胃カメラ検査を用いた消化器疾患の治療も行っております。
健康診断で異常を指摘された場合や、消化器などに異変を感じた場合には阪東橋駅近くの当院にご相談ください。
